100年老けない脳の作り方

「そうだったのか」池上彰に頷く人は前頭葉を使っていない

テレビを見ながらコメンテーターの意見には突っ込みを(C)日刊ゲンダイ

 アカデミー賞受賞作、「カッコーの巣の上で」の劇中で、反抗的で凶暴な性格の主人公が病院で受けた手術によって、言葉も話せないほどおとなしくなってしまう。実はあの手術こそが、大脳を切り取るロボトミーだ。前頭葉を切除した結果、知能そのものが落ちるわけではないのに、感情のコントロールが利かなくなって、まるで意欲のない人間に変わってしまったのである。年齢を重ねて脳内の前頭葉の細胞の萎縮が進むと、似たような状況が起きるのだから恐ろしい。

「前頭葉が縮んでくると生活面でも行動に特徴が出てきます。それは“これまで通り”が当たり前になり、変化を求めなくなります。具体的には、行きつけの店が決まると他にはいかなくなるとか、ある著者のファンになるとその人の本しか読まなくなる――などです。新しいことへの適応力が悪くなり、思考パターンが同じになってしまうわけです」(和田秀樹氏)

2 / 5 ページ

関連記事