100年老けない脳の作り方

「そうだったのか」池上彰に頷く人は前頭葉を使っていない

運動に認知訓練を加える(C)日刊ゲンダイ
脳を活発にする2つのトレーニング

 脳に刺激を与え、脳の活動を活発にする意味では、介護の現場などで認知症予防のために行われている「コグニサイズ」や、「二重課題(デュアルタスク)運動」にも注目したい。

 コグニサイズは国立長寿医療研究センターが開発した、運動と計算やしりとりなどの認知トレーニングを組み合わせた運動プログラムのこと。2つを同時に実行することにより、脳の認知機能の低下を抑制することが分かっている。

 たとえば、両足を揃えて立ち、左右にステップ(右へ1歩↓戻る↓左に1歩↓戻る=合計4ステップで一巡を繰り返す)を踏みながら、ステップごとに数を数え、3の倍数のときパンッと手を叩く。50代の記者が挑戦してみたが、足と手の動作を同時進行するのは意外に難しい。同センターのホームページに実践法が載っているので試してみるといい。

 デュアルタスク運動は、ウオーキングをしながら足し算や引き算をしたり、階段を上りながらしりとりをする運動だ。体と脳に同時に負荷をかけることが、脳の認知機能を高めることにつながるという。

 認知症発症の前段階として軽度認知障害といわれる状態がある。健康状態と認知症の中間状態だが、この状態でデュアルタスク運動をやると認知機能が改善することが分かっている。確実に何らかの脳への刺激があるということか。医療機関などグループで実践しているところもある。参考にしたい。

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