最近は、がんの末期で入院された場合、いざとなってから蘇生術を行うことはほとんどないという印象です。点滴は行っていても、強心剤や昇圧剤を使うような場合も少ないと思います。それでも、間に合った家族から「父は意識がなくなっていましたが、がんばって息をして、私が着くのを待っていてくれました」と言われたのを聞きました。
それぞれの人生です。終末期も、最期の瞬間も、その時の思いもさまざまです。死ぬ瞬間にその場に居なかったからといって、それほど後悔されなくともよいのではないかと私は思います。“その瞬間”に立ち会うことが難しい場合も多いのです。
■本コラム書籍「がんと向き合い生きていく」(セブン&アイ出版)好評発売中
がんと向き合い生きていく