ならば、アミロイドβのような有害物質を脳神経に蓄積させなければいい。その役割を担っているのが、「睡眠」というわけだ。米ワシントン大学の研究によると、睡眠障害がある人は、睡眠が安定している人に比べてアミロイドβの蓄積が5・6倍も多いということが分かっている。
「脳科学者の母が、認知症になる」の著者で、脳科学者の恩蔵絢子氏がそのメカニズムをこう説明する。
「認知症に関わる因子は、簡単に言えば、“脳の中にできた消化不良の粗大ゴミ”です。ゴミが出ること自体が悪いわけではなく、通常はこれが分解され、再利用されるのですが、なんらかの理由で分解できなくなる。それがアミロイドβとタウ・タンパク質というものです。ちゃんとした睡眠を取っていないと、このゴミが適切に捨てられなくなり、アルツハイマー型認知症の原因になると考えられます」
100年老けない脳の作り方