人生100年時代を支える注目医療

母子の絆や愛情に影響 「母乳育児」の大切さを見落とすな

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「改定ではアレルギー疾患や感染症、肥満など体への影響ばかりが比較され、育児用ミルクと母乳とでは遜色ないことが強調されています。しかし、ミルクは母乳がどうしても出ない時の代用品であり、母乳かミルクか比較・選択するものではありません。母乳育児で強調されなければいけないのは、母子の絆や愛情など心への影響です。母乳育児率の向上は世界的な課題で、WHOとユニセフは共同声明で、『母乳育児成功のための10カ条』を守ることを呼びかけています。問題なのは国内の産婦人科の医師が、母乳育児の指導の仕方を知らないことです」

 10カ条の3条には「すべての妊婦に母乳育児の良い点とその方法をよく知らせること」とある。日本でも未熟児・新生児医療の草分けである故山内逸郎医師が「母乳育児成功のための山内の3・5カ条」を提唱している。1条「出産30分以内の授乳」、2条「24時間以内に7回以上の授乳」、3条「出産直後からの母児同室」、3・5条「陣痛発来後の乳管開通」。「3・5条」はWHO・ユニセフの10カ条に明記のない指導項目だ。

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