役に立つオモシロ医学論文

米で研究報告 楽観主義は痛みを軽減するかもしれない

感謝祭の食事を配る陸軍兵士ら(C)ロイター

 その結果、楽観性の点数が1点増加すると、派兵後に新たに発生した体の痛みが11%、統計学的にも有意に低下することが示されました。また、楽観性が低度だった人では、高度だった人に比べて、体の痛みの新たな発生が35%、統計学的にも有意に高いという結果でした。

 痛みの発生要因は多岐にわたるため、楽観性そのものが痛みのリスクを低下させているかどうかについてはさらなる研究が必要でしょう。

 とはいえ、もし仮に楽観的な考え方が痛みのリスクを低下させるのであれば、慢性的な痛みに悩まされている人に対する治療への応用が期待されます。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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