ホントに必要?ダイエット中の「朝食」問題を専門家に聞く

成功談をうのみにしてはいけない

「一方で米国の臨床栄養学の学術雑誌などで、朝食を抜こうが抜くまいが体重に変化がなかったという報告があります。ならば朝食を抜いてもいいだろう、と考えるかもしれません。しかし、その多くが短期間での研究報告です。朝食を抜くと自分の意思とは無関係にエネルギー消費を抑えようとします。糖質が多くインスリン抵抗性をアップさせがちな海外の朝食と違い、日本の朝食は食物繊維やミネラル、ビタミンなどが多く健康的。朝食を抜き続けると、体重が増えていくばかりでなく、体調を崩す可能性があるのです」

■成功談をうのみにしてはいけない

 なお、「朝食抜きの方が調子良くやせた」という人のなかには、夜の食事が遅く、活動時間帯が夜型の場合が多い。このような場合は一般的な人の朝食の時間帯に食事をする必要のない人が多いと古谷氏は言う。

「こういう人にとっては正午近くに取るその日最初の食事は、昼食ではなく実質的には朝食です。朝食とは、朝食べる食事ではありません。断食を破って最初に取る食事(ブレックファスト)なのです。恐らくこういう人は、食べた記憶がないだけで、ちょこちょこ食べていて、1日3度食べるのと変わらないカロリーを取っている。活動時間帯が夜であればいいのですが、朝の場合は体内時計が乱れてしまい、睡眠負債を背負っている状態になります。これが継続することで、肥満だけでなく、がんや心疾患など多くの病気が引き起こされます。成功談を聞きかじり“やせるのなら私もやってみようか”などと考えない方がいい」

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