100年老けない脳の作り方

長寿の静岡で「お達者度」トップ 川根本町の“サロン”とは

静岡県川根本町。茶畑と大井川を眺めながら川根茶縁喫茶「相藤園」の縁側で。右はダム湖に架かるレインボーブリッジ(C)共同通信社

■ワーキングメモリーが鍛えられる

 諏訪東京理科大教授の篠原菊紀氏(脳科学)は、「人と交わって体を動かすことは脳にとってプラス。人と交わることが多い方が認知症になりにくいという調査結果は数多く報告されています」と言う。

 顔見知りで集まれば、よもやま話にも花が咲く。これも脳を活性化させる。

「会話をしているとき、人間は“ワーキングメモリー”を盛んに使っています。ワーキングメモリーとは、記憶や情報を一時的に保持し処理する能力のことで、脳の前頭前野の働きと関係しています。料理をしたり、趣味を楽しむときも、もっとおいしくしようとか、より良い成績を残そうとか考えるため、ワーキングメモリーが鍛えられるのです」(篠原菊紀氏)

 前頭前野を使っていないと、短期的な情報の処理能力が低下し、物忘れが激しくなる。

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