Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

萩原健一さんは闘病8年 希少がんGISTでも5年生存率は5割超

萩原健一さん(C)日刊ゲンダイ

 その点、適切な治療でがんと折り合って生活できれば、ショーケンさんのような最期を迎えることができます。

 4年前、肺がんで亡くなった愛川欽也さん(享年80)も、人気番組の1000回出演を達成。その降板直後の訃報だったことは有名です。

■発症のピークは60代

 ショーケンさんの命を奪ったGISTは、胃や腸など消化管の蠕動運動を調節する細胞から発生します。骨肉腫と同様に肉腫の一種で、男女差はありません。発症部位は胃に多く、中高年に発症しやすく、60代がピークです。

 吐き気や腹痛に襲われたり、下血や吐血、それらの出血に伴う貧血などの症状が表れたりするのは、腫瘍が大きくなってから。発見が遅れやすいゆえんですが、胃炎や大腸ポリープなど別の病気で受けた内視鏡検査により、早期で発見されることもゼロではありません。

2 / 3 ページ

中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

関連記事