更年期を知って夫婦円満

男性も更年期症状でイライラやうつ状態に…夫婦で理解を

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 先日ご縁があり、出版されたばかりの「テストステロンの秘密」という本のイベントに参加させていただきました。女性の更年期には女性ホルモンであるエストロゲンが深く関係していますが、男性の更年期には男性ホルモンのテストステロンが関係しています。最近は、LOH症候群と呼ばれ、治療の対象になっています。

 著者の話の中で印象深かったのは、LOH症候群と女性更年期は原理も症状も似ている点です。「イライラ」「発汗」「ホットフラッシュ」「気力低下」「うつ症状」などよく知られている更年期の症状が、男性ホルモンの分泌が減少した男性にも起こり、さらに、心血管系疾患、骨粗しょう症、関節痛などのリスクが高くなることも共通しています。

 男性ホルモンの分泌量は、40歳を過ぎると徐々に減少していくそうです。女性ホルモンと違って緩やかな減少のため、生活に支障が出ない方がほとんどですが、腹部周辺、時には胸部にも脂肪が増え、体形に変化が出る方は多く出てきます。

 更年期を知ることが妻のためだと思っていたら、意外にも同年代の男女ともに当てはまる問題――。つまりは、お互いの健康のために、女性・男性どちらの更年期についても知識を深めてほしいと思います。

 更年期を「通り過ぎるもの」と、現在出ている症状を軽視していたら、深刻な病気に発展するかもしれません。たとえば腰が痛いからと整形外科にかかったけどよくならない……。こんな時は、「性ホルモンの減少からくる症状なのかも?」と疑ってみてはいかがでしょうか? 夫婦やパートナーがいる方であれば、性ホルモン減少で変化する体をお互いに理解し、共に健康維持のために生活習慣を変え、運動を積極的に取り入れていきましょう。

 更年期は女性だけのものではない、男女ともに他人事ではないことと理解しましょう!

小林ひろみ

小林ひろみ

メノポーズカウンセラー。NPO法人更年期と加齢のヘルスケア会員。潤滑ゼリーの輸入販売会社経営の傍ら、更年期に多い性交痛などの相談に乗る。

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