市販薬との正しい付き合い方

市販の胃薬は症状によって3つのタイプを使い分ける

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 症状をみて、胸焼けがするような胃酸が多いと思われる症状があれば、胃酸の分泌を抑える「H2ブロッカー」(ガスターなど)や「ロートエキス」が含まれたタイプを選ぶといいでしょう。H2ブロッカーの方が切れ味がよい(速やかによく効く)という特徴があります。また、胃酸を中和する「炭酸水素ナトリウム」も速効性が期待できます。

 胃がキリキリと痛むといった場合には、「スクラルファート」などの粘膜修復・保護成分が入っているタイプがおすすめです。なんとなく胃の調子が悪いときには、3つの成分が合わさった「総合胃薬」も有効です。食欲がない場合は「漢方」が含まれたタイプもよいでしょう。

 ひとつだけ注意しておくべきポイントは、「痛い」は重篤な病気のサインの可能性があるということです。症状が長引く場合には医療機関を受診するようにしてください。

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神崎浩孝

神崎浩孝

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

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