心と行動を変える健康革命

ピンピンコロリを望むならそれに至る生き方を学び努力する

まず3通りの死にざまを知るべし(C)日刊ゲンダイ

 適度な運動も、頭では理解している。だが、多忙を理由に、三日坊主で終わる。

 これが平均的な日本人だ。だからこそ横山教授は、「行動変容外来」の必要性を力説する。

「患者さんの日常行動を変えていただくには、死に方を含めて『どうありたいか』を考えていただく必要があります。医師はそれに至る道筋を説明し、その患者さんに合った『やり方』を提供すべきです。それには、患者自身の考え方、生活パターン、宗教観など、幅広い点についてコミュニケーションを取り、理想を共有化することが不可欠なのです」

 薬を処方したら、治療は終わりではない。医師は患者の希望をかなえさせるのが仕事だ。患者が「ピンピンコロリ」を望むなら、そのゴールに向かう道のりをマネジメントするのも、医師の仕事であると説くのだ。

「医学の進歩で人が急死することは少なくなりました。そのため、医療は病気にならない予防に重点が移りつつあります。しかし、死ねない時代の健康維持は医師任せでは達成できず、患者さんの意思と行動力がなければ実現しないものなのです」

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横山啓太郎

横山啓太郎

1985年東京慈恵会医科大学医学部卒。虎の門病院腎センター医員を経て現在、東京慈恵会医科大学教授。同大学晴海トリトンクリニック所長。

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