心と行動を変える健康革命

「改善策を話す」は限界 患者には“実験”に参加してもらう

生活改善のやる気を起こさせる“ライフデザインドック”(C)日刊ゲンダイ

“実験”に参加した患者は、そのとき初めて自分が飲む味噌汁が普通の人とどれだけ違い、そこに含まれる塩分量がいかに多いかを知るという。

「一般的な味噌汁の塩分含有量は、平均2・2グラム前後でカップラーメンは5・5グラム程度です。1日にカップラーメンを1個食べただけで、1日の塩分摂取量はほぼ満杯になります。でも、カップラーメンを毎日食べる家庭はまずないでしょう。しかし、味噌汁は毎日飲む。だからこそ塩分摂取量の多さが常態化しやすいのです」

 味が濃い味噌汁を好む人は普段から塩分の多い食べ物を好みがちだ。

 自分の味噌汁がしょっぱいかどうかを知ることは、これまでの食生活を振り返るキッカケになる。

「その結果、自分の体を気遣うことの大切さに気づくことになるのです。健康とはどうあるべきか、そのための日常化とはどういうことか。自分で気づき、考えるようになると、食生活は自然と変わります。これまでの味噌汁はしょっぱかったから、これからは少し薄味にしようなどと行動が変わるのです」

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横山啓太郎

横山啓太郎

1985年東京慈恵会医科大学医学部卒。虎の門病院腎センター医員を経て現在、東京慈恵会医科大学教授。同大学晴海トリトンクリニック所長。

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