100年老けない脳の作り方

麻雀はなぜ脳にいいのか専門家が解説 活発に働く角回とは

ギャンブル性がドーパミン神経系を刺激

 ピエール瀧被告の出演で注目されることになった「麻雀放浪記2020」は、もとは戦後のドヤ街を舞台にした阿佐田哲也の娯楽小説。バクチに明け暮れた連中が、あの手この手のイカサマを駆使して勝負する。1984年に映画化されたときは、だれもが大技「つばめ返し」を練習したものだ。そんないかがわしいイメージが付きまとう麻雀が、高齢者の脳を活性化するという。そのメカニズムとは?

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 いまどき麻雀卓を囲む人たちは、みな酒を飲まず、たばこも吸わない。主人公の坊や哲がヒロポン中毒者に身を落とす「麻雀放浪記」が描いた世界とは雲泥の差。日の当たらない怪しげな賭け事だったのは、今は昔だ。だれもが楽しめる健全なボードゲームに生まれ変わりつつある。

 もっとも、環境は大きく変わっても、ルールは同じ。運の要素に左右されながらも、感覚を研ぎ澄まして、手を作っていく。なにせ敵は3人だ。自分の牌だけに集中していても勝てない。他のメンツの捨て牌、しぐさ、呼吸、会話から変化をくみ取る。だれかがテンパイしている様子があれば、当たり牌を手の内にとどめながらサクッと軽くあがってしまうことだ。臨機応変に対応できるかが勝負のカギになる。

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