後悔しない認知症

キレやすい親には肉食などのタンパク質を取らせること

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 では、この「幸せホルモン」であるセロトニンを増やすにはどうすればいいか。

 セロトニンは脳内で作られる物質だが、そのもととなるトリプトファンという必須アミノ酸を摂取することが重要だ。このトリプトファンは肉、魚、大豆、卵、乳製品などに含まれており、これらの食品を高齢者の親に摂取させることを心がけたほうがいい。もちろん、トリプトファンの正常な吸収、セロトニンの産生を図るためには胃や腸、とくに腸の健康を維持することも忘れてはならない。

■「幸せホルモン」とコレステロールの重要性

 また、脳内にあるセロトニンは「鞘」のようなもので保護されているのだが、その「鞘」はコレステロールで構成されている。

 コレステロールというと、高齢者の健康を害するものと思われがちだが、コレステロールを減らしすぎるとセロトニンがうまく脳に送られず、脳の老化につながる。

2 / 4 ページ

和田秀樹

和田秀樹

1960年大阪生まれ。精神科医。国際医療福祉大学心理学科教授。医師、評論家としてのテレビ出演、著作も多い。最新刊「先生! 親がボケたみたいなんですけど…… 」(祥伝社)が大きな話題となっている。

関連記事