堀ちえみ食道がんで気になる 「がん家系」を撃退する方法

堀ちえみさん
堀ちえみさん(C)日刊ゲンダイ

 堀ちえみさん(52)の食道がんがニュースになっている。

 堀さんは2月にステージ4の舌がんであることを公表。11時間におよぶ手術を受けて3月末に退院した。そこに今度は食道がんである。

 幸い、食道がんはステージ1の早期発見で、内視鏡を使った30分から1時間の手術で済むという。堀によると、前回の入院中に胃カメラ検査を受けて発見された。また、舌がんからの転移ではないそうだ。

 舌がんと食道がん。両者はどんな因果関係があるのか。医学博士の米山公啓氏に聞いた。

「堀さんが言うように転移ではないと考えられます。実は舌がんや咽頭がん、喉頭がんなど口腔内のがんを発症した場合、食道がんや胃がんなどを併発しやすいのです。これを『多重がん』と呼びます。堀さんの医師は多重がんを心配して胃カメラ検査をしたのでしょう。同じように、肺がんの人が咽頭がんや食道がんを併発しやすいことも分かっています」

 よく「がん家系」とか「がん体質」という言葉を耳にする。両者は遺伝子によってがんを発症しやすいという意味の同義語だ。米山氏によると、がんの一部は遺伝子が関係し、病名として家族性大腸腺腫症、遺伝性乳がん・卵巣がん、リンチ症候群などが挙げられるという。

 分かりやすく言うと、①家族にがんになった人がたくさんいる②家族に若くてがんになった人がいる③家族が同じがんになった――。この3点の1つにでも該当すれば、自分もがんに関係する遺伝子を持っているかもしれない。

「心配な人は遺伝子検査を受けたほうがいいでしょう。保険は利きませんが、最近は料金が安くなり、数万円で受けられます。検査は一生に1度でかまいません。大切なのは遺伝子検査をしたあと、適切な対処法をアドバイスしてくれる病院を選ぶこと。米国の女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが、がんになる前に乳房の摘出手術を受けたのは医師の助言があったからだと考えられます」(米山公啓氏)

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