100年老けない脳の作り方

脳は老化しない 70歳でも成長するために大事なこととは?

集中力は43歳、語彙力は67歳がピーク(C)日刊ゲンダイ

 諏訪東京理科大学の篠原菊紀教授(脳科学)がこう解説する。

「MITの研究では、新しいことに取り組む際の集中力は18~25歳がピークですが、仕事や経験の多さに起因する集中力は40代くらいに最大化します。集中力や判断力は年とともに伸びるものもある。やりたいこと、見たいことをやっていると、ニューロン(神経細胞)を増やすBDNF(脳由来神経栄養因子)という物質が増えるのです。MRIを使って、73歳と75歳の脳の断面を調べた研究では、楽しいことをしている人の脳の萎縮は、していない人の半分でした」

 そもそも、脳は老化しない。体の細胞は次から次へと生まれ変わるが、ニューロンは基本的に一生同じままだ。では、なぜ物忘れなどが起こるかというと、ニューロンとニューロンを結ぶシナプスの働きが弱るため。老齢の脳はシナプスから放出されるアセチルコリン(神経伝達物質)の量が少ないことがわかっており、要するにシナプスを鍛えるといいことになる。シナプスは外から多くの刺激が与えられることによって発達する。

 4度も放送大学を卒業した加藤さんのように、まったく未知の分野に「自分から学びに行く」ことが大事なのだ。

 脳を正しく鍛えれば、70歳からでも脳はさらに成長する。

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