漫画家が赤裸々に…男性のセックス依存症とは?対処法は?

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 週プレニュースのWeb漫画「セックス依存症になりました。」が話題になっている。漫画家・津島隆太さんが自らの体験を赤裸々につづったものだ。

 この漫画は、モテモテ人生を送ってきた津島さんがあることをきっかけにセックス依存症と診断され、専門治療や自助グループなどの助けを借り、“回復”していく物語だ。ネット上で無料で読むことができる。今月19日に50話を迎える今、「私もそうかもしれない」という読者からの問い合わせが何百通も津島さんのツイッターアカウントに届いているという。

「女性の体験記はこれまでにもあったのですが、男性が主人公でセックス依存症の当事者という体験記は珍しい。誰にも話せず悩んできた人が、この漫画を読み、津島さんに感想や質問を送ってきているようです」

 こう話すのは、大森榎本クリニック精神保健福祉部長の斉藤章佳氏。精神保健福祉士・社会福祉士である斉藤氏は長年依存症治療に携わっており、「男が痴漢になる理由」の著者ということもあり、「セックス依存症になりました。」の監修も務めている。

 依存症とは、特定の物質、行為、関係に耽溺し逸脱行動を繰り返し、社会的損失や身体的損失が生じているのに自分の意志の力でやめられない状態のこと。つまりセックス依存症とは、セックスにのめり込むあまり、性感染症、望まない妊娠、家族や友人ら周囲からの信頼を失う、経済的な損失が生じる状態だ。

 なお、「男性でセックス依存症を公言している当事者は少ない」というのは、男性は性欲が強いから仕方ないと済まされることや、女性は望まない妊娠や性感染症に罹患して産婦人科などで露見しやすく、一方で男性は性感染症も放置しているケースが多く表面化しづらいことが一因。また、セックス依存症は、マスターベーションへの耽溺も含むため、童貞や処女も該当する。

「性依存症のひとつであるセックス依存症は、痴漢や盗撮などと違い“犯罪型”ではない。しかし、依存症であるからには自分ひとりでなんとかできる状態ではなく、進行性の病気であり、そのまま放置していれば孤立化が進み、その寂しさを埋めるためよりセックスに耽溺してしまう」

 漫画の中では、「不倫や浮気で大きなトラブルに巻き込まれたことがある」「風俗通いなどの浪費で生活が困窮」「日常的に倒錯的なポルノを見て自慰をしてしまう」「初めて会った人や不特定多数と性的関係を結ぶ」「避妊しないセックスや面識がほとんどない人とのセックスにリスクやデメリットを考えない」などが、セックス依存症が疑われる人として挙げられている。

■病気なので治療が必要

 もし、セックス依存症だと判明したら、どういう対処法があるのか?

「一般的には、専門外来がある病院での通院治療と、同じ問題を抱える者同士が集まって体験談を分かち合い、今日一日、性的しらふを継続することで回復を目指す自助グループへの参加です」

 自助グループには、マスターベーションは一切やめ、配偶者以外とのセックスを禁止するSAと、“再発”の概念は個人に委ねられ、「生殖活動をどこまで制限したら問題行動につながらないかは人によって違う」という方針のSCAがある。どちらが適しているかは人それぞれ。両方につながっているセックス依存症の人もいる。

 SAの例で気になるのは、セックス依存症になったら、二度とセックスできないのか?

「それは難しい問題ですね。ただ、私の臨床での経験上セックス依存症と自覚し、その後、長期間再発してない人は、セックスもマスターベーションもしていないケースが多いです。最初は『性欲が抑えられなくなるのでは』と言っていた人も、次第にそうではないと理解する。なぜなら、セックス依存症をはじめとする性依存症は、性欲だけの問題とは限らないからです」

 あなたは、あなたの周囲はどうだろう?

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