100年老けない脳の作り方

認知症治療の現場でも 自分史を書く作業が脳の筋トレになる

子供時代の通学路を歩いてみる(C)日刊ゲンダイ

「自分史」を書くことが、脳の活性化につながるという。これまで生きてきた“自分の歴史”を振り返る作業だ。中年サラリーマン世代には、“忙しくてそれどころじゃない”と一蹴されそうだが、認知症治療の現場などでは知られた手法で、健康な人でも脳トレになるらしい。そのメカニズムと、何をどう書くとより効果的なのかというと――。

 書店には計算ドリルや書き取りなど多くの“脳トレ本”が並ぶ。実は、「自分史」モノもそのひとつ。ボーッと生きている人でも、“我が半生を振り返る”作業が、どんどん脳を活性化させるというのだ。

 認知症学会の専門医で、おくむらメモリークリニックの奥村歩院長が言う。

「脳の活性化とは、“脳のつながり力”がどれだけあるかということ。頭の良し悪しにも関係しますが、脳の中の神経細胞がより多くつながっていると認知予備力が高いということになります。認知予備力が高い人ほど、若くてピチピチした脳の持ち主なのです。我々の脳、とくに記憶というのはたとえて言うなら、玉ネギのようなもの。中心部分にみずみずしい芯があり、ここに自分らしさや性格がある。核の部分です。そして人生を積み重ねるごとに、一枚一枚、“記憶”という薄皮に包まれ増えてゆくわけです」

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