100年老けない脳の作り方

認知症治療の現場でも 自分史を書く作業が脳の筋トレになる

子供時代の通学路を歩いてみる(C)日刊ゲンダイ

 もっとも、過去の社会情勢や歴代総理を思い浮かべたところで脳への刺激はないも同然。役には立たない。何より大事なのは、自分史、つまりは、“自分にこだわった”回想をするのが数段効果的らしい。

「嫌なことは思い返す必要はありません。楽しかった部活や、面白かった仕事を順に書き出し、友達や仲間の名前やエピソードを思い出す。なかなか記憶が出てこない場合は、当時、流行した音楽を聴いてみるとか、小中学校時代に通った商店街や通学路を歩いてみる。10連休で帰省するとき、30分でいいからやってみてください。机に向かって書き続けるより、見たり聞いたり現場の空気感に触れて五感を刺激した方が脳細胞のつながりはブワ~ッと広がっていくはずです」(奥村院長)

 会社の帰りに大学時代に暮らした駅で降り、住んでいたアパートやよく通った定食屋を探すのもいい刺激になる。スマホで写真を撮り、メモ帳に昔を思い出しながらメモを取る。これを参考に自分史を家で仕上げる。判断力や思考力アップにつながるのだから、自分史は“脳の筋トレ”と同じと言っていい。

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