心と行動を変える健康革命

人生100年時代 自分を変えられない頑固者は元気で死ねない

戦略なくして100年人生なし(C)日刊ゲンダイ

 例えば急性心筋梗塞で亡くなるケースは激減している。

 急性心筋梗塞の院内死亡率は1978~82年は16・30%だった。それが2000年には4・90%(国立循環器病研究センター)まで改善されているのだ。

 これは救いだが、他方、長寿時代到来で、高齢者の「生活習慣病」激増は避けられない。

「このとき単に“リスクを避けて、適度な運動をしてください”と指導しても高齢者はなかなか守れない。では、どうしたら患者さんが治療する気持ちになるのか。医師と患者さんが互いの解決方法を見いだす努力が必要なのではないでしょうか」

 患者に、これまでのふしだらな生活Aを、新たな生活Bに変えてくださいと指導しても、実行は容易ではない。

 でもAとBの違いを説明したら理解ができる。患者自らにAとBの生活を整理してもらい、健康長寿のための方向性を示せば状況は変わる。

「健康長寿を全うするために、運動等の行動改善ができるのは、人間だけに与えられた選択です」

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横山啓太郎

横山啓太郎

1985年東京慈恵会医科大学医学部卒。虎の門病院腎センター医員を経て現在、東京慈恵会医科大学教授。同大学晴海トリトンクリニック所長。

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