Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

堀ちえみさんは舌と食道に…重複がん早期なら治癒の可能性

堀ちえみさん(C)日刊ゲンダイ

■「肺と咽頭」「胃と大腸」も

 一方、重複がんはそれぞれ別のがんですから、治療法はそれぞれのがんのガイドラインがベースに。どちらも早期なら、治癒の可能性は十分でしょう。重複がんは1個でもたくさんでも、とにかく早期発見が大切なのです。ブログによると、内視鏡で行われた手術は、がんがある粘膜下層より上を切除して1時間ほどで終了。組織を病理検査して、今後の治療方針を決めるそうです。

「今回の病気は早期に発見できた事が、とても大きかったと思います。早くに見つけてもらえたから、内視鏡で切除する事ができました」

 まったくその通りなのです。読者の皆さんは重複がんを心配されるでしょうが、重複がんでも2つ目からは、一般に早期に発見されやすい。

 がんの治療は5年をメドに考え、その間は定期的な検査が必須です。検査は、大本のがんの治療効果をチェックするだけでなく、転移の有無を調べるものもあります。その転移の有無を調べる過程で、画像検査に怪しい影が見つかると、そこから重複がんが早期に発見されやすいのです。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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