病み患いのモトを断つ

GW前にチェック「抗ED薬」の効きを左右する食事と服用法

彼女と過ごす旅行は楽しみだけど…
彼女と過ごす旅行は楽しみだけど…

 楽しみだけど……。歴史的な10連休となるGWに女性と過ごす男性の中には、ちょっとした不安を感じている人がいるかもしれない。EDだ。

 40代では5人に1人、50代では2・5人に1人と、年齢が上がるにつれて増え、全体の患者数は1130万人。東京都の人口に匹敵する人が、ムスコの悩みを抱える。

 切実な悩みを解くカギが、薬の使い方にある。実は薬の影響でEDを招いたり、抗ED薬の使い方を誤って、思うように改善していないケースが少なくないのだ。昭和大藤が丘病院泌尿器科の佐々木春明教授に聞いた。

 まずは、意外な別の薬の影響だ。

「前立腺肥大と高血圧の薬です。どちらも中高年男性にありふれた病気で、薬を服用している方は珍しくありません。そういう病気と、EDの発症のタイミングが重なる。そうすると、薬の影響に思いが及ばず、『あれ、年のせいかな』と諦めがちになるのです」

 前立腺肥大に処方されるユリーフとハルナールは、イキそうでイケない射精障害を起こす。“空撃ち”の不満を重ねることで、EDに。高血圧ではβ遮断薬とカルシウム拮抗薬で勃起障害を招きやすいという。

「これらの薬の影響によるEDなら、主治医に症状を伝えて薬を変更してもらえば、EDは良くなります」

 抗ED薬の一番手としてバイアグラが登場したとき、男性誌などで「画期的」と絶賛されたが、EDの治療を受けているのは5%なのが現状だ。

「年のせい」「気恥ずかしい」といった事情から受診があまり進んでいないだけに、持病の薬を替えてみることは、大いに意味があるだろう。

 もうひとつが、抗ED薬のPDE5阻害薬そのものの使い方だという。

「PDE5阻害薬にはバイアグラとレビトラ、シアリスの3種類があって、それぞれに中容量と高容量があります。実は、バイアグラとレビトラは、肉や揚げ物など高脂肪食を食べた後に服用すると、成分の吸収が阻害されて効きにくいのです。そういう方は、空腹時の食前に服用して、なおかつアルコールを控えると効きやすくなります」

 たとえば、夕食後にベッドインするなら、服用のタイミングは?

「バイアグラとレビトラなら、午後6時に服用して、食事を1時間後にするといい。レビトラは、バイアグラほどは食事の影響を受けませんが、高脂肪食を控えて、軽くするのが無難。バイアグラは、服用1時間後に効果が出始め、4~5時間持続。レビトラは15分ほどで効果が発現する即効性が特徴で、5時間以上持続します。食事と服用のタイミングを考えるのが面倒なら、ウイークエンドピルといわれるシアリスを服用するといいでしょう。シアリスの効果は36時間、持続しますからね。たとえば、土曜日の昼くらいに服用すれば、日曜日の夜まで効果が持続する。もちろん、食事の影響は受けません。ただし、アルコールを飲み過ぎると、効果が悪くなるので、量は控えめにした方がいい」

■心筋梗塞の予防効果も

“連チャン”する予定がない人も、バイアグラとレビトラではなく、シアリスを選ぶメリットがあるという。

「EDの原因は精神的な影響と動脈硬化の2つが大きい。国内外の研究から、PDE5阻害薬には、血管の拡張機能を改善することが分かっています。つまり定期的な服用が、動脈硬化予防につながるのです。そう考えると、薬効が長く続く方がベターでしょう」

 陰茎動脈の直径は1~2ミリで、心臓の冠動脈は3~4ミリ。陰茎の動脈硬化でEDになっていると、心筋梗塞を起こしやすいといわれる。EDがない人と比べると、5年後の発症率は2倍だ。

「EDは、全身の動脈硬化の映し鏡といえます。だからこそ、しっかり治療した方がいい」

 抗ED薬をネットで購入する人がいるかもしれない。ネットには偽物が氾濫していて、海外では死亡事故も起きている。きちんと受診して、手に入れることだ。

関連記事