100年老けない脳の作り方

肌も脳もスッキリ 話題の「水素浴カプセル」を体験してみた

ぐっすり眠れる(写真の女性はモデル)/
ぐっすり眠れる(写真の女性はモデル)/(提供写真)

 最近、「水素浴」が男性客でにぎわっていると聞いた。昨年、テレビ朝日系「モーニングショー」でも取り上げられ、大きな反響を呼んだという。そこで、本紙記者は「水素浴サロン」(銀座4丁目プレミアム店)で体験してきた。

 そもそも水素はなぜ注目されるのか。国内では現在、慶応大学や日本大学など20の医療機関で研究が進んでおり、活性酸素の増加を「水素」が抑えることで、脳梗塞などへの効果が期待されている。体内でも腸内細菌などの微生物が水素ガスを発生させているが、ごくわずか。

 ところが水素浴カプセルには、1万8000ppm入っているという。大気中の水素は0.5ppmだから3万倍以上だ。肺へ吸引された水素ガスは、動脈血に乗って傷害部位に到達し、炎症の抑制など良い効果をもたらすという。「記憶力・集中力・判断力アップ 水素を吸えば『脳』が変わる」(筑波大学大学院・矢田幸博教授監修)では、水素が脳の機能を活性化し「脳ストレス」を緩和する働きがあるとしている。となれば、GWの“休みボケ”も治るかもしれない。

 さて、肝心のカプセルを実践だ。頭をスッキリさせたい30代女性記者が今回体験したのは、50分のコース(4800円)。水素浴カプセルには、ほかに25分コース(3000円)、50分7回コース(3万円)などがある。

「回数券を購入するような常連客は30代後半から60代の男性が多いです。集中力が上がるから、パフォーマンスが良くなると好評です」(同店の代表KAORUさん)

 楕円形のカプセルに横たわる。枕にアロマをつけてくれるというので、「ラベンダー」を選んだ。ラベンダーは香りの主成分であるリナロールが嗅覚を刺激して脳の神経回路を活性化するらしい。

 水素や酸素は気圧が高い方がたくさん取り込めるそうで、最初と最後は、カプセル内との気圧調整のため、耳抜きが必要となる。飛行機に乗っているイメージだ。ちなみに携帯やタブレットも使えるので、仕事しながら、水素を浴びるサラリーマンもいるし、電話もできるから“閉所”による恐怖感もない。

 気づいたら、眠っていたようだ。時計を見ると残り10分で、寝覚めもスッキリしている。

 ちなみに、アルコールを摂取しすぎると肝臓で分解できずに活性酸素を発生させるため、取引先接待などの前に「二日酔い」対策にカプセルに入る人もいるという。

 時間が来て、“外界”に降り立つと心なしか体が軽くなった感じ。頭も冴えている気がしたが、ボーッとして会社の最寄り駅を通過したことに気づかず……。仕事のヤル気までは起きなかったようだ。

災害時には発電機の代わりとして活躍(燃料電池バス「SORA」)/
災害時には発電機の代わりとして活躍(燃料電池バス「SORA」)/(C)日刊ゲンダイ

■燃料電池バス「SORA」も水素を上手に活用

 水素ガスは人体に吸い過ぎによる影響もない。

 ただ、中学生の頃の理科の授業で、酸素ガスと反応させて爆発させる実験があった。水素ガスは大気中の濃度が4.1~71.5%になると爆発を起こす可能性がある。

 このちょっと危ない水素をうまく利用したのが、トヨタ自動車の燃料電池車だ。タンク内の高圧水素を空気中の酸素と化学反応させることで発電させ、その電気をエネルギーにしてモーターを回す仕組み。

 化学反応で発生するのは“水のみ”で、大気汚染の原因となるCO2(二酸化炭素)やNOx(窒素酸化物)、PM(粒子状物質)などは全く排出しない。排ガスの代わりに水がボトボト落ちてくるだけだ。しかも、ガソリン自動車のエネルギー効率より2倍ほど高いという。

 東京都では2020年の五輪に向け、環境への配慮からトヨタの燃料電池バス「SORA」を100台以上導入する予定。選手や観客の基本的な移動手段となる。すでにSORAの都営バスや京急バスが都内を走っている。残念なのは、サスペンションの問題か、はたまた車体重量が重いためか、乗り心地は最悪。個人差はあるが、乗り物酔いの感覚が残る。また、テロリストに水素タンクを狙われたら大爆発を起こすかもしれないが、トヨタの技術担当者は大丈夫と言っている。

 災害時には発電機の代わりとして活躍。環境と災害のためと思って少し我慢したい。

関連記事