しかし、本人の認識は「悪いところがない」というもの。どれか1つでも基準値を超えていれば、医師の診断と管理栄養士の食事指導を受けられ、何らかの手を打たなければならないという自覚が芽生えていたのかもしれないのですが、それがなかったのも彼の不幸な点でした。加えて、40歳前後から仕事が忙しくなり、健診をすっぽかすようになってしまった。
結果、40代半ばという年齢で突然心筋梗塞を起こしてしまったのです。
ガイドラインの基準値だけにとらわれていると、“本当の健康度”を見逃すことになりかねません。ほかの数値との組み合わせ、家族歴、仕事や家庭のストレスなど、さまざまな点をチェックして、「自分はどうなのか」を考えていくべきです。
情報社会・ストレス社会を迎えており、我々が思っている以上にリスクは高まっています。仮に乗り越えたとしても、将来は認知症・心不全などのリスクが襲ってきます。静かに忍びよってくる、心筋梗塞と脳梗塞のリスクを甘くみてはいけません。一度は血管年齢などを調べておく。手遅れにならないために重要です。
進化する糖尿病治療法