いずれにしても重要なことは、同じデータを眺めても、その解釈は多様であるということです。さらに、どの解釈が正しいかを見極めるのは簡単なことではないのです。
若い人を見習って炭水化物を減らして、脂肪を取れば若返ることができるという意見は、この2つの仮説のさらにその先のはっきりしない仮説に過ぎないのです。
生活と健康 数字は語る
「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。