「絶対無理だよ」と思った血圧高めの人もいるのでは? 今春のガイドライン改定で、高血圧の治療目標値がこれまでの140/90から10ミリ低い130/80になる(75歳未満の場合)。言うまでもなく、高血圧対策には減塩が必須。これ以上、薄味にしなきゃならないとは……。
「いえ、全然大丈夫! やってみたら、意外に楽チンでしたね」
こう話すのは、トラベルライターの芹澤和美さんだ。以前からむくみが気になっていた芹澤さん、外食の予定が入っていなかった先日ふと思い立ち、3日間限定で、「減塩」どころか「無塩」の生活にトライ。
醤油、ポン酢、オイスターソース、ゆずこしょうなど、塩分入りの調味料は使わない。うどん、そば、パンなども塩分が入っているので避ける。
では、何を食べていたかというと、主食はご飯にゴマをかけて。料理の味付けには、バルサミコ酢やニンニク、レモン汁、黒こしょうなど。
たとえば、オリーブオイルとバルサミコ酢をかけたキノコとキャベツの蒸し煮。ニンジンを千切りにしてオリーブオイルとレモン汁、黒こしょう、ハーブで味付けしたキャロットラペ。ステーキは黒こしょうやニンニク、ワサビで。
「いい仕事をしてくれたのが、切り干し大根。ダシがすごく出る。切り干し大根、干しシイタケ、ニンニク、ワカメで作ったスープなんて、すごくおいしかった。ご飯を入れたら韓国料理のクッパみたい」(芹澤さん)
毎日お腹いっぱい食べていたが、むくみの原因となっていた余分な水分が抜けたのか、3日間で体重は1・3キロ減。朝起きたら顔がパンパン、ということもなかった。
「体が軽くて非常に快適。普段お酒をよく飲みますが、無塩の間はお酒を欲しなかった。そして気付いたのは、『私、塩分を結構たくさん取っていたんだな』ということ。油や動物性脂肪の取り過ぎには注意するけど、塩分量は気にしていなかったんです。“無塩明け”に外食したんですが、何度も食べたことのある料理が妙に塩辛く感じました」(芹澤さん)
トラベルライターという仕事柄、国内外を飛び回っていて外食も多い。今後は、出張から戻ったら無塩にしようと考えている。ただし、食を楽しむことはやめたくないので、期間限定で。
管理栄養士の則岡孝子さんが言う。
「ナトリウムも体に必要な成分ですから、長期間の無塩はお勧めできません。しかし、3日ほどなら、ぜひ。楽しく減塩できる方法が身に付くので、特に高血圧の人は実践してほしいです」
読者の皆さんも、「やってみたら楽チン」と思うかも。
話題の焦点