独白 愉快な“病人”たち

17年に現役引退…今浪隆博さんが甲状腺機能低下症を語る

今浪隆博さん(C)日刊ゲンダイ

 試合中も集中できませんでした。プロ野球選手は何万人もの観衆の中で生活をかけてプレーするので、ものすごく緊張感があります。なのに、気持ちが入らずボーッとして眠いんです。でも、夜、布団に入ってもしんどくてよく眠れない……。ただ、気負いがないのが良かったのか良い成績が残せていたので、深刻には考えていませんでした。

 さらに異変が起こりました。8月末に1週間ほど遠征に行った帰り、神宮球場で練習してから自宅に帰ろうとしました。ところが、自宅の最寄り駅に着いて電車から一歩降りたら、足が進まなくなってしまったんです。自宅まで歩いて7、8分なのに、駅近くのコーヒーショップで休んでからなんとか帰宅しました。

 すると、奥さんが僕の顔を見た途端、「どうしたの?」と驚いたんです。僕は毎日鏡を見ていたから気付かなかったのですが、顔がすごくむくんでいたんです。

2 / 6 ページ

関連記事