食事もとらずにベッドで休んでいたら、奥さんがネットで調べてくれました。「甲状腺機能低下症」の症状にドンピシャでした。そこで夜9時ごろ、一人でタクシーに乗って近所の救急外来へ向かいました。
病院の受付では自分の生年月日さえデタラメを書いちゃったほどの状態でした。記憶障害の症状が出ていたんです。結局、夜中の2時ごろまで待たされ、血液検査を受けて甲状腺機能低下症だと診断されました。医師から「よくこれで仕事してたね」と言われてそのまま強制入院となり、点滴治療を受けました。
でも、ドーピング検査に抵触するのではないかという心配や、試合に出場したい思いが強く、球団のかかりつけの病院へ紹介状を書いてもらってすぐに退院。そこで改めて診察を受け、チラーヂンという甲状腺ホルモン剤を処方してもらって自宅で休みました。
その後1週間ぐらいで薬が効いてきたので練習を再開し、3週間で一軍に復帰しました。僕はそのシーズン、年間100試合出場を目指していたんです。
独白 愉快な“病人”たち