たとえば、現役で第1志望の医学部に入学する学生は、プロ野球で言えば「ドラフトにかかった選手」です。このゾーンに収まった人材は全員に一軍で活躍するチャンスがあるといえます。
しかし、なんとなく医師を目指し、現役で志望する医学部へ進めなかった学生はドラフトにかからなかったわけですから、一軍昇格のチャンスはゼロということです。その場合、浪人して予備校に通ってどうにか成績を残せるようになり、医学部に入学できて初めて一軍半から二軍の位置づけになります。最初の時点から“ドラフトにかかった学生”とは厳然たる差があるといえるのです。
この大きな差がそのままであれば、医師になってから携われる医療も自然と限られてきます。レギュラーとして試合でバリバリ活躍できる可能性はほぼないと言ってもいいでしょう。プロ野球の一軍のレギュラークラスと二軍選手の間には、日頃の練習の質や量だったり、実戦でチャンスを与えられる機会だったり、あらゆる面で圧倒的な差が存在します。医学教育の中でも、一軍の学生とその他大勢とでは明らかな格差があるのです。
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