見えてきた認知症のメカニズム 悪玉腸内細菌が脳を壊す

善玉菌では進行が抑えられる(C)日刊ゲンダイ

■善玉菌では進行が抑えられる

 むろん、腸内細菌叢が善玉に支配されれば、活性化し暴走していたミクログリアを抑えることも可能だ。腸内細菌叢がミクログリアを根本から変えることはすでに実験マウスで証明されている。

 ドイツの研究チームが未成熟なミクログリアを持つ無菌のマウスに、通常マウスの腸内細菌叢を注入したところ、成熟したミクログリアになったと報告している。腸内細菌が産出する短鎖脂肪酸がミクログリアを活性化したと考えられている。

 実は、腸内細菌叢が脳の神経細胞に影響を与えることはパーキンソン病でも同じだ。

 パーキンソン病(PD)は脳の異常によって体の動きが障害される病気。安静時に震えたり、動作が緩慢になったり、筋肉が硬直したりする。その他に臭覚障害、認知機能障害、抑うつ症状、幻視、便秘、起立性低血圧などを合併することが多い。

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