Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

岡村孝子さんが公表の白血病は不治の病でない 8割は治る

岡村孝子さん(C)日刊ゲンダイ

 岡村さんの病名公表後の報道に触れると、診断前は「だるい、動悸がする、疲れが取れない」と語っていたようです。先日、白血病を公表した競泳の池江璃花子選手(18)も疲労感を訴えていたのは、白血病の典型的な症状といえます。

 血小板も減少するため出血しやすい。歯磨きで歯茎から出血したり、体を少し押されたところが内出血してアザができたりするのは、そのためです。

■渡辺謙さんや吉井怜さんも克服

 白血病は、がん細胞が急速に増える急性と、ゆっくり増殖する慢性に分けられます。それぞれに骨髄性とリンパ性があって、骨髄性は中年以降の成人に多く、リンパ性は小児に多い傾向です。

 主な原因は遺伝子の偶発的な損傷で、遺伝子の経年変化によって増える傾向があります。加齢によって患者数は増加。確固たる予防はありませんが、喫煙は白血病を増やすので、禁煙をお勧めします。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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