昨年のデータによると、日本人の平均寿命は男性81.09歳、女性87.26歳で、過去最高を更新した。平成の30年間で男女とも、約5歳ほど延びた計算だ。
「大きな理由として考えられるのは医療体制の進歩でしょう。がんの死亡率が下がり、心疾患や脳血管疾患のそれも改善した。要するに、大病を患っても助かる人が増えたということ。この先ですか? それは何とも言えません。過去30年で5歳延びたからといって、向こう30年であと5歳延びるとは限らない。頭と筋力はある程度鍛えることができるけど、内臓はそうはいかない。必ず老いますから」(医師でジャーナリストの富家孝氏)
今後、医学の進歩とともに長寿化が進むのは間違いない。46年後の2065年には平均寿命が、男性84・95歳、女性91・35歳になるという。まさに、“人生100年時代”が見えてくるのだ。
海外の長寿社会に関する研究では、“2007年に日本で生まれた子供の半数が107歳まで長生きする”という推計もある。
願望を含めて言うなら、がんの治療薬が完成し保険適用になる可能性もゼロではあるまい。
何より、日本人の100歳人口は、平成の30年間で3078人(元年)から6万9785人(30年)へと飛躍的に増えた。長生きになった証しではないか。
「そうはいっても、90歳で現役バリバリで仕事をしている人がいますか?
実際には病院にいる方も多い。団塊世代が80代に突入し、健康に問題が生じれば、医療財政が持たないかもしれない。私も同世代だから、そっちの方が心配。平均寿命が延びることは医療費増大という大問題を抱えることにつながる。国はどう対処するのか見届けたいですね」(富家孝氏)
30年後、平均寿命で90歳を超えているのは、女たちだけか。
「令和30年」のニッポン