“GW明け”に頑張りがきく食事術 ベストセラー医師が教える

うなぎは食べるべし
うなぎは食べるべし(C)日刊ゲンダイ

 たまった仕事をバリバリこなさなければいけない――。GW明けを考えると憂鬱な気持ちになる人も多いのではないでしょうか? そんな人は、休み中に肉を食べておくといいかもしれません。

 最近は肉というと加齢で減少していく筋肉を維持するために必要なタンパク源というイメージがあります。しかし、少し前までは違いました。働くことは紫外線を浴びながら汗を流すことであり、多くのサラリーマンが資料の詰まった重いカバンを抱え、外回り営業に汗を流していました。そのため、仕事終わりに疲労を回復して明日の英気を養うために好んで肉を食べていたのです。

 ではなぜ、肉は疲労回復料理の定番だったのでしょうか? その理由のひとつが「カルノシン」です。カルノシンは、紫外線、喫煙、激しい運動などで発生し、老化タンパク(AGE)の発生原因となる「活性酸素」(フリーラジカル)を強力に取り除く「天然の抗酸化物質」としての働きがあるからです。

 同じ肉でも、特にカルノシンが多く含まれているのが鶏の胸肉です。

 鳥は翼を動かす胸の筋肉が発達しており、全体重の4分の1程度を占めています。

 空を飛ぶときは翼を激しく動かすため、筋肉を支える細胞の中には活性酸素が多く発生します。海を越えて移動する渡り鳥などは特に、この活性酸素を取り除かなければ飛び続けることはできません。そのため、鳥の胸筋には多くのカルノシンが含まれているのです。

 同じように大海原を休みなく回遊するといわれ、ときに時速100キロで泳ぐマグロもカルノシンは豊富に含まれています。

 私も1週間の仕事が始まる前の日曜日の夜にはカルノシンが豊富なうなぎを食べるようにしています。そのせいか、60歳を過ぎたいまも疲れ知らずです。皆さんも休み中に鶏の胸肉やマグロ、うなぎを食べて、たまった活性酸素を一掃し、休み明けに備えてはいかがでしょう?

牧田善二氏
牧田善二氏(C)日刊ゲンダイ

▽牧田善二(まきた・ぜんじ) AGE牧田クリニック院長、医学博士、糖尿病専門医。2003年から糖尿病をはじめとした生活習慣病および肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を東京・銀座で開院、延べ20万人以上の患者を診ている。著書に「医者が教える食事術 最強の教科書」(ダイヤモンド社)ほか、多数。

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