10連休後もヤル気が出る住まい

野菜保存をイチから見直す 疲労回復への冷蔵庫レイアウト

野菜は立てて保存すると鮮度は長持ち
野菜は立てて保存すると鮮度は長持ち

 台所で大きな存在感を示す冷蔵庫。この中の「レイアウト」をどうするかで、体の元気度が変わってくる。

「疲労回復には野菜のビタミン類摂取が大事です。間違った保存方法では鮮度が早く落ち、これらの栄養素が減ってしまいます」

 こう指摘するのは、管理栄養士で横浜創英短期大学名誉教授の則岡孝子氏。ポイントは何か?

【冷蔵保存】

 野菜が活発に細胞分裂を繰り返す成長点をカットし、紙とポリ袋で包んで冷蔵庫の野菜室へ。「育った状態」で保存するのがベストだ。

「成長点は、葉や茎の先、芯などにあります。紙などで包むと野菜の呼吸を適度に妨げ、ビタミンCや糖分を消費するのを避けられます」

 常備菜でいうなら、ニンジン、大根、カブは葉を切り落として別々に。大根など丸ごと使い切れない時は、切断面をラップで覆い、ビニール袋で包む。キャベツは芯をくり抜いて濡れティッシュを詰め、ラップとビニール袋で包む。上に向かって成長する野菜(ホウレン草、大根、長ネギなど)、枝やつるにぶら下がっている野菜(キュウリ、インゲンなど)は、「立った状態」が育った状態なので、立たせて保存する。

 もし、専用のビニール袋に入って売られていたら?

「それらの袋には、野菜から出るエチレンガスを排出し、劣化を防ぐ役割があるので、袋から出さずにそのまま野菜室へ」

【冷凍保存】

 レタスなど加熱せずに食べたい野菜を除き、すぐに食べない場合は、早めに冷凍した方がいい。

「食材の劣化は温度と時間に関係し、冷凍すればその時点の栄養と味をキープできます」

 14種類の食材をマイナス24度で冷凍保存し、1カ月ごとにカロテノイド、ビタミンなどの含量を測定したデータがある(日本食品保蔵科学会)。それによると、例えばビタミンCは、ホウレン草、キャベツ、グリーンアスパラガスなど、1カ月後、2カ月後でほぼ変わらず。春菊、グリーンピースで減少が見られたが、ほかの多くの野菜で栄養の損失は見られなかったという。

 トマト、キノコ、ニラ、ネギなどはそのまま冷凍し、加熱して使う。

「トマトやキノコは冷凍によってうま味が増します。キノコは日光浴でビタミンDが増えるので、数日干して冷凍するといいでしょう」

 一方、キャベツ、白菜、ブロッコリー、アスパラなどは軽く加熱して水分を飛ばしてから冷凍。食感が保て、サラダなどにも使える。

「慢性疲労や精神的な疲労には、カロテノイドやビタミンB、C、Eが特に有効です。野菜の上手な保存法で効率良く摂取してください」

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