リビング(居間)は家族が一日で最も長く過ごす場所だ。
その質は家族の幸せ度を決めるといっていい。最近は「テレビ中心のくつろぎの場所」から勉強や仕事など家族それぞれの時間を過ごす多機能空間に変化して「リビ充家族」なる言葉も生まれるほど重要な空間になっている。
ところがその空間をおざなりに扱っている人は少なくない。カビや病原菌の棲みかであるほこりがたまり、壁や絨毯・カーテンにはカビやたばこのヤニなどが吸着したまま。GW期間中にそんな居間を快適空間に変えようではないか。ただし、従来の掃除法ではダメだ。
病院清掃30年のプロで「図解 健康になりたければ家の掃除を変えなさい」(扶桑社)の著者である松本忠男・日本ヘルスケアクリーニング協会代表理事が言う。
「いまだに窓を開けて掃除機をかけ、濡れ雑巾で床をこする人を見かけますが、間違いです。カビや病原菌が棲みついたホコリを空中に舞い上がらせ、床についた病原菌を塗り広げ、病気のリスクを高めるだけ。改める必要があります」
窓は閉めて、屋外から入ってくる風で、掃除により舞い上がったほこりや病原菌が部屋中に拡散することを防ぐ。力を入れて掃除機を動かすのもNGだ。
「床のホコリを吸う前に吸引口が移動するため、ホコリが取れないからです。フローリングの床を濡れ雑巾で拭くのもダメ。雑菌を塗り広げることになります。正しくは掃除機は軽くゆっくり動かす。乾いた汚れの除去には乾いたクロスを使います」
■絨毯の裏には目に見えないカビが
フローリングは100円均一で購入できる「スクイージー」(写真)のゴムの部分を5ミリ間隔で切って使うといい。ホコリがウソのように取れる。
「絨毯は排気口が高い位置にある掃除機で、引きながらホコリを吸い取ります。排気口が低いと絨毯のホコリを舞い上げ、部屋中にばらまいてしまいます。掃除機を前に押しながらの掃除だけでは絨毯の毛が倒れてしまい、絨毯内に閉じ込められたホコリは吸えません」
カーテンや絨毯の毛裏には見えないカビの胞子がついている。この時季、処理しないと梅雨が大変。
まず消毒用エタノールを噴霧してカビや菌を落とした上でカーテンを洗う。
「カーテンは完全に乾いてから戻しましょう」
たばこのヤニが付着した壁は霧吹きなどで水に濡らし、ヤニの成分を溶かした上で、キッチンペーパーなどで叩くようにして吸い上げる。
正しい掃除をすれば居間の空気がおいしく変わると松本代表は言う。あとは整理整頓すれば、イライラした気持ちが吹き飛び快適に過ごせるはずだ。
10連休後もヤル気が出る住まい