10連休後もヤル気が出る住まい

5月は眠りすぎに要注意 ヤル気の出る寝室のポイントとは

読書やスマホ操作する場所を違うところに
読書やスマホ操作する場所を違うところに

 ぐっすり熟睡できるかどうか。日々のヤル気や体調は「睡眠」に大きく左右される。しっかり寝たはずなのに体がダルい……。毎晩なかなか寝付けない……。悩んでいる人は寝室を見直すべし。「ベスリクリニック」(東京・千代田区)で睡眠外来を担当している作業療法士の菅原洋平氏にヤル気の出る寝室のポイントを聞いた。

「気温が上昇して気圧が下がる5月は、リラックス状態で活発になる副交感神経が優位になる季節です。活動量が増えることで、体を休めようとする『お休みモード』に入るのです。そのため、眠り過ぎてしまって睡眠のリズムが崩れ、日中もボーッとしたり、いつまでも眠い状態が続いたりする人が多くなります」

 これを防ぐには、起床時は活動状態で活発になる交感神経が優位になるよう、しっかり切り替えさせることが重要になる。

 肝心なのは「日の光」だ。人間は、日光を浴びると、脳を眠らせるホルモン「メラトニン」が急激に減って目が覚める。体も交感神経が優位になって活動モードに入る。

「メラトニンは網膜が光を感知した時点から分泌がストップします。朝にしっかり減らすと、夜には増えやすくなり、睡眠リズムも整います。起床時に日の光をしっかり浴びることができるよう、ベッドは窓際に設置して、頭を窓に向けて寝るのがベストです。カーテンを少し開けておけば、自然と光を感知できます」

 どうしても窓際で寝ることができない人は、朝、目覚めた時点でカーテンを開けて窓から1メートル以内に入るようにする。

■読書やスマホ操作は違う場所で

 照明も工夫したい。家庭で一般的に使われている白色蛍光灯の明るさ=500ルクスの下に3時間いると、分泌されるはずのメラトニンが50%減るという報告がある。 

「メラトニンは入眠から3時間後が分泌のピーク。照明をつけたまま寝ると分泌が抑制されるので、長時間寝ても疲れが残ってしまう。寝室は真っ暗にして眠るのが理想です。それが不安な人は、顔よりも下の位置だけを照らす足元灯や壁に電球色の電灯を当てる間接照明を試してください」

 ベッド以外で、リラックスできる場所をつくることも熟睡につながる。「ベッドに入って寝転がりながら読書をしたりスマホをいじったりする人は少なくありません。しかし、これを続けているとベッドに入ってもなかなか寝付けなくなってしまいます。脳が『ベッド=作業する場所』と記憶してしまうからです」

 寝付きをよくしたいなら、脳に「ベッド=眠る場所」とインプットする必要がある。ベッドのそばにイスとテーブルを設置するなどして読書やスマホ操作はそこで行い、リラックスして眠くなったらベッドに入る。これが習慣になれば、ベッドに入っても眠れずに悶々とすることもなくなる。 睡眠の質がアップすれば連休明けも元気にスタートを切れる。

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