1カ月後、診察を受けたAさんは担当医にこう告げました。
「先生に黙っているのは悪いので話しますが、○○サプリメントを飲んでいます。友達が、がんに効くと言うのです」
担当医は「サプリメントはあくまで健康食品で、がんに効くという科学的根拠はありませんよ」とだけ答えました。そして、それを勧めるともやめるようにとも話しませんでした。
治療法がなくなり、無治療となっても、「医師が悪くなっても診てくれる」とのことで患者は納得しています。しかし、家族は治療を何もしていないことに不安を感じているのです。
もちろん、担当医はAさんの身体の良い状態が続いて欲しいと思っています。友人の専門医から新しい治療法の開発について聞いたり臨床試験が行われていないかどうかを調べているようです。
がんと向き合い生きていく