3歳から5歳までの間に、1日2時間以上タブレットやスマホ、テレビなどのスクリーンを見て育った子供は、ADHD(注意欠陥多動性障害)の診断基準を満たす確率が、30分以下の子供に比べ7倍以上高いというショッキングな調査結果が発表され、波紋を呼んでいます。
発表したのはカナダのアルバータ大学の研究チームで、対象となったのはカナダ国内の約2400の家族です。
子供たちの「スクリーンタイム(タブレット、スマホ、パソコン、テレビなどあらゆるスクリーンに触れる時間のこと)」と、彼らの行動の様子を質問形式で調べました。
それによると、まず3歳の子供たちのスクリーンタイムは平均1・5時間で、カナダ政府が推奨する3歳児の1時間を上回りました。一方、5歳児の平均は1・4時間で、推奨されている2時間より短かったことも分かりました。
そして何より大きな発見が、3歳から5歳までのスクリーンタイムが長いほど5歳になってからの注意能力に影響してくることです。また半面、集団スポーツに参加している子供は、こうしたスクリーンタイムによる影響が軽減されていることも、分かりました。
ADHDは生まれつきの発達障害で、後天的に障害が起こる事はないものの、アメリカ疾病予防センターは「スクリーンタイムが特に特定の人々にとって症状を悪化させる可能性がある」とし、小児科学会は2~5歳の子供の妥当なスクリーンタイムとしているのは、最大1時間。できるだけ質の高い内容を選び、大人が一緒に遊ぶことなどを推奨しています。
しかし実は、昨年あたりからメディアを賑わせているのは、シリコンバレーで働く親が、自分たちの子供には小学校に入るくらいまで、タブレットやスマホに一切触れさせないようにしている動きです。タブレットなどの強い中毒性や、コミュニケーション能力に与える影響を危惧してです。
自分たちがアプリやプログラムを手掛けているだけに、そのリスクがよく分かっているのだろうと、ほかの多くの親たちの意識にも危険信号がともり始めました。そのタイミングのこの発表は、今後のスクリーンタイムに大きな影響を与えそうです。
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