ニューヨークからお届けします。

シリコンバレー勤務の親が子供に“スマホNG”とする理由

写真はイメージ(C)PIXTA

 そして何より大きな発見が、3歳から5歳までのスクリーンタイムが長いほど5歳になってからの注意能力に影響してくることです。また半面、集団スポーツに参加している子供は、こうしたスクリーンタイムによる影響が軽減されていることも、分かりました。

 ADHDは生まれつきの発達障害で、後天的に障害が起こる事はないものの、アメリカ疾病予防センターは「スクリーンタイムが特に特定の人々にとって症状を悪化させる可能性がある」とし、小児科学会は2~5歳の子供の妥当なスクリーンタイムとしているのは、最大1時間。できるだけ質の高い内容を選び、大人が一緒に遊ぶことなどを推奨しています。

 しかし実は、昨年あたりからメディアを賑わせているのは、シリコンバレーで働く親が、自分たちの子供には小学校に入るくらいまで、タブレットやスマホに一切触れさせないようにしている動きです。タブレットなどの強い中毒性や、コミュニケーション能力に与える影響を危惧してです。

 自分たちがアプリやプログラムを手掛けているだけに、そのリスクがよく分かっているのだろうと、ほかの多くの親たちの意識にも危険信号がともり始めました。そのタイミングのこの発表は、今後のスクリーンタイムに大きな影響を与えそうです。

2 / 2 ページ

シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

関連記事