生活と健康 数字は語る

同じデータに基づきながら正反対の解釈が可能だと理解する

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 高齢者で炭水化物の摂取割合が高いという結果は、昔の人は炭水化物をたくさん取っているということの反映かもしれません。実際に加齢によって摂取割合が減っているのかもしれないし、いろいろな可能性があるという話をしてきました。

 今回は、もうひとつ別の解釈を示しましょう。もし炭水化物の摂取量が低く、脂肪を多く取る人が短命だとしたら、どういう結果になるでしょう。炭水化物をたくさん取る人が生き残るわけですから、高齢になるにしたがって炭水化物の摂取割合が高くなります。つまり、この摂取割合の変化は、炭水化物の摂取割合が高く、脂肪摂取割合の低い人ほど長生きという、長生きの要因を示しているのかもしれません。若者を見習って炭水化物を減らすと、かえって健康に悪いかもしれません。

 ここで見たように、同じデータに基づきながら正反対の解釈が可能です。どちらの解釈もそれなりに理屈が通っていますから、片方だけを示されてこうだといわれるとだまされてしまうかもしれません。

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名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」院長、「CMECジャーナルクラブ」編集長。自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、東大医学教育国際協力研究センター学外客員研究員。臨床研究適正評価教育機構理事。7月末に「検診や治療に疑問を感じている方! 医療の現実、教えますから広めてください!!」(ライフサイエンス出版)を出すなど著書多数。

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