後悔しない認知症

高齢者が高血圧や高血糖の薬を飲み続けるのは考えもの

写真はイメージ

 いずれにせよ、高齢者がさまざまな薬を服用することは、認知症発症のリスクを高める可能性も否定できない。そもそも厚労省が正常とするさまざまな数値も、高齢者を基準に設定されているわけではない。それが寿命を延ばしたり、病気を予防したりすることを証明する日本人対象の大規模調査がほとんどないのだ。

 高齢になると血管の壁が厚くなるので、血圧や血糖値が高いほうが酸素やブドウ糖はいきわたる。多少、正常とされる数値を超えたとしても、それは適応現象かもしれない。子どもは何よりも親のQOL(生活の質)を下げずに機嫌よく生きることを最優先すべきだ。最後につけ加えると、集団健診は日本以外では実施されていない。

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和田秀樹

和田秀樹

1960年大阪生まれ。精神科医。国際医療福祉大学心理学科教授。医師、評論家としてのテレビ出演、著作も多い。最新刊「先生! 親がボケたみたいなんですけど…… 」(祥伝社)が大きな話題となっている。

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