医者も知らない医学の新常識

有害な紫外線はブロックするが…日焼け止めは体に安全か

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 紫外線が強い季節がやってきました。ひと昔前までは日焼けは健康のシンボルで、小麦色の肌などともてはやされ、日焼けサロンでわざわざ日焼けする、というようなことまで行われていました。

 ところが最近になって、紫外線が肌の老化を進め、一部の皮膚がんの危険性を高めるという事実が、一般にも広く知られるようになると、白い肌の方が好まれるようになり、むしろいかにして日焼けを防ぐか、ということの方が重要視されるようになりました。常識は大きく変わったのです。今では紫外線を防ぐための日焼け止めが広く使用され、女性の化粧品にも含有されるようになりました。

 しかし、この日焼け止めは体に安全と言えるのでしょうか?

 日焼け止めの成分として最近広く使用されているのが、紫外線を吸収する性質のある化学物質で、紫外線吸収剤と総称されています。体に無害な化学物質はありませんから、アメリカの監督機関は、この日焼け止めの成分が体に吸収された場合の、安全な濃度を決めています。

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石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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