独白 愉快な“病人”たち

オール阪神さん脳梗塞で「言語に支障が出るかも」と言われ…

オール阪神さん(C)日刊ゲンダイ

 脳梗塞でそういう症状が出るのは知ってはいましたよ。

 だけど、まさかと思ってたんです。その病院にかかった時、自分でクルマを運転して行けたくらいですから。“オレオレ詐欺”に引っかかった気分でした。でも、後で相方も言うてました。トーク番組に一緒に出た時、「何かおかしい」と思ったって。

 梗塞は前後左右に何カ所か起きてました。集中治療室で点滴治療を受けながら、絶対安静で10日間。トイレにも行けないから、若い女性の看護師さんにとってもらうのがイヤで、おしっこは自分でとって、大きい方は数日辛抱しました。

 ただ、しんどくはなかったんで、指のリハビリはずっとしてました。小声で「1、2の3の4の2の5……」と手遊び歌を歌いながら両手の指先を動かしたりして。最初は右手の指が動かしにくかったですね。

 先生は「ひょっとしたら言語に支障が出るかも」とおっしゃるので、頭の中でず~っと漫才の稽古もしてました。でも、漫才のネタは相方がいたらスッと出てくるもんも、ひとりではうまく出てけぇへんのですわ。相方に病院へ来てもらいたくても、集中治療室は家族以外は入られへん。そんな中、強行突破して西川きよし師匠が「元気してるか?」って来てくれはってうれしかったですね。

2 / 5 ページ

関連記事