人生100年時代を支える注目医療

保険でカバーできる「傷が残らない」甲状腺の内視鏡手術

片山昭公センター長(左下) 手術の傷跡はほとんど目立たない(左上)(C)日刊ゲンダイ

 甲状腺の内視鏡手術の歴史は、日本医科大学内分泌外科の清水一雄名誉教授が世界に先駆けて、1998年にVANS法を開発したことからスタートしている。

 国内では2014年に先進医療になり、16年に「部分切除、腫瘍摘出術」「バセドー病の全摘術」「副甲状腺手術」が保険適用に、続いて18年に「甲状腺がん」が保険適用になった。

 ただ、先進医療のときは全国9施設のみで集約されて行われてきた経緯があり、研修場所の少なさから執刀医要件をクリアする医師の数がまだ少ないことが、普及が進んでいない理由。保険適用のすべての内視鏡手術を実施する病院は、同センターを含め全国で数施設しかないという。

 片山センター長は、旭川医大在籍当時の09年に清水教授のもとでVANS法の研修を受け、これまでの手術数は約560例。いまでは他院からの研修医師を年間10人前後受け入れ、甲状腺内視鏡手術の普及に尽力するひとりだ。

2 / 4 ページ

関連記事