これで認知症介護は怖くない

「行きたくない」とデイサービスを拒否するのは男性が多い

(提供写真)

 デイサービスには喜んで行く人もいれば、「あんなトコには行きたくない」と、かたくなに拒絶する人もいる。ずっと家で過ごせたらいいのだが、ヘタすると生活リズムが崩れたり、社会とのつながりが消えたりして孤立しかねない。それに家族は介護負担を考えると、やっぱりデイサービスには行ってほしいはずだ。

 なぜデイサービスに行かないのか。拒否した当事者にうかがってみた。

「見学に行ったら、年寄りが塗り絵をしたり人形を作ったりしてるじゃない? 冗談じゃない、あんなことできるか」

「行ったら、いきなりお風呂に入れられた。そのうえスタッフが『洗いましょう』って入ってくる。あんな恥ずかしいことはなかった」

「年寄りが集まって何がおもしろい?」

 最初の方は村山明夫さんで、このあと町田市の「DAYS BLG!」を見学したら、車の洗車やチラシの配達だが、働けると分かって今はそこに通っている。

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奥野修司

奥野修司

▽おくの・しゅうじ 1948年、大阪府生まれ。「ナツコ 沖縄密貿易の女王」で講談社ノンフィクション賞(05年)、大宅壮一ノンフィクション賞(06年)を受賞。食べ物と健康に関しても精力的に取材を続け、近著に「怖い中国食品、不気味なアメリカ食品」(講談社文庫)がある。

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