アルツハイマー病の新たな“共犯者”ミクログリア細胞の正体

ミクログリア細胞(小西講師提供)は痛みや発達障害にも関係

「さらに、特定の遺伝子に欠損や異常があるとミクログリアがあまり活性化しない、または活性化してもエネルギー不足で活性化が長続きせずに死んでしまいます。そうなると、脳内の不要な老廃物を掃除できなくなる。この場合もまた、アルツハイマー型認知症を招くことになります」

 ミクログリアは認知症以外に痛みや自閉症などの発達障害にも関係していることがわかっている。

「痛みのシグナルは脊髄を介して脳に伝わるため、脊髄のミクログリアが過剰活性すると痛みが強く長く残る可能性があります。また、ミクログリアはあまり使われないシナプス(神経細胞同士のつながり)を刈り込み整理するなど、脳神経細胞の正常な発達を補助する役割があります。過剰に活性化したり、機能が低下すると、神経回路の整理がうまくいかず自閉症などの発達障害を発症させることがあるのです」

 ミクログリアの研究から目が離せない。

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