卵巣がんと関係があるCA125について、米国の研究では、検査を受けた人と受けていない人を比較すると、早期発見率も死亡率も、有意差が認められませんでした。早期発見については、このような状況がほとんどです。それなのに、早期発見がPRされると、がんではないのに異常とされる「偽陽性」で不安に駆られる人が続出します。そこが問題です。
では、腫瘍マーカーはどうやって見極めるか。それは治療効果の判定や再発のチェックです。大腸がんで手術した方が定期的にCEAを測定すると、再発を早期発見できる、生存率が向上したという報告があり、再発チェックでのCEA検査は世界的に推奨されています。また、卵巣がんに対するCA125や前立腺がんのPSAは、治療効果の判定に役立つことが明らかです。
腫瘍マーカーのチェックは、がんになってからということです。
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁