離れて暮らす老親に突然のがん宣告…「看取り」経験を聞く

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 87歳でのステージ4のがん。手術は無理。抗がん剤も年齢を考えると難しい。私はすぐに診療情報提供書や画像検査結果などの必要書類をそろえ、国立がん研究センター中央病院とがん研有明病院へ1人でセカンドオピニオンを受けに行きました。

 どちらも主治医と同様、抗がん剤は難しいとの意見でした。

 そこで問われたのは、最期を迎える場所です。父親は母親と同い年ですし、「自宅で」は家族の負担が大きすぎる。「病院で」と答えると、医療コーディネーター(地域連携センター看護師)から、すぐに緩和ケア病棟へ入院するための登録をすべきと勧められました。

 母親が入院中の病院は急性期病棟で長くは入院できない。登録をしておけば、すぐに緩和ケアを専門に手がける病院の病棟に入院できるし、もしベッドが空いていなければ、一般病棟に入院し、緩和ケアを受けられるとの説明でした。

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