離れて暮らす老親に突然のがん宣告…「看取り」経験を聞く

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

■疑問点は何でも医療コーディネーターに相談

 今回の経験で強く感じたのは、家族だけで抱え込まず、疑問点や不明点は何でも医療コーディネーターに相談すべきということ。

 とにかく毎日、何らかの決定を迫られる。判断に迷うことも多い。たとえば母親への告知についても、時に父親を交えて医療コーディネーターと何度も話し合い、最終的に告知はしないと決めました。

 どのタイミングでどういうふうに伝えるかなども、医療コーディネーターに相談に乗ってもらった。今は告知が当然。主治医も「告知が基本」という意見でしたが、最終的には家族の意見が尊重されました。

 もうひとつ感じたことを挙げると、オプションをたくさん考えた方がいい。緩和ケア以外の選択肢はないのか、退院したらどうなるのか、などです。これらは自分から聞かないと教えてくれない。私は有料老人ホームについても調べていましたし、一時的に自宅に戻った時、医師の往診を受ける準備もしていました。結局、母親は急性期病院に入院中に転んで骨折し、自宅に戻れず、緩和ケア病棟に移って1週間もしないうちに亡くなったのですが……。

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